なぜ応募が来ないのか?感情から読み解く“採用マーケティングの落とし穴”

「求人広告を出しても応募が来ない」
「採用サイトをリニューアルしたのに、エントリー数が伸びない」
「“いい人”に来てほしいのに、そもそも人が集まらない」

そんな悩みを抱えている企業は、今や珍しくありません。
人手不足、採用難が叫ばれる時代。多くの企業が採用においてマーケティング的な工夫を取り入れようとしています。
しかし、そのマーケティング施策が機能しないのは、“感情”という視点が抜けていることが一因かもしれません。
今回は、採用活動における“感情の設計”にフォーカスしながら、なぜ応募が集まらないのかを読み解いていきます。

■ 求職者の“判断軸”は「条件」より「感情」
まず大前提として、求職者は「感情」で企業を選んでいるという事実があります。
給与や休日数などの条件面は当然重要ですが、それだけで「応募しよう」とはなりません。
応募を決める最大の理由は、「なんとなくこの会社、いいかも」「雰囲気が合いそう」「話を聞いてみたいと思った」
つまり、感情的な共感や安心感です。
心理学ではこれを「情動優位性」といい、人は複数の情報があったとき、最終的な意思決定を感情によって下す傾向があるとされています。

■ 採用マーケティングの盲点:「情報」はあるのに「感情」がない
多くの企業は「会社の魅力を伝えよう」と、以下のような情報を発信しています。
• 福利厚生の充実
• キャリアパスの明示
• 社員インタビュー
• 働き方や制度の紹介

もちろん、これらは採用マーケティングにおいて必要な要素です。
しかし、それらが「事実の羅列」になっている場合、求職者の心は動きません。

例えば、
「風通しの良い職場です」
「チームワークを大切にしています」
「人間関係が良好です」
こういったフレーズは、どの企業も使っているありきたりな表現です。
その中に“感情的なリアリティ”がなければ、求職者は「どこも同じに見える」と感じてしまいます。

■ 応募者の“感情の流れ”を設計せよ
採用においては「感情の流れ」を設計することが重要です。

以下は、応募者の心の中で起こる感情の変化の一例です:
1. 【知る】 → この会社、なんとなく気になる(興味・直感)
2. 【共感】 → 自分に合いそう、価値観が近い(共鳴・期待)
3. 【安心】 → 人間関係もよさそうだし、入社後の不安が少ない(安心・好感)
4. 【行動】 → 話を聞いてみたい、応募してみよう(意思決定)

この「知る → 共感 → 安心 → 行動」の流れを意識したコンテンツ設計ができているかどうかで、応募率は大きく変わります。

■ 応募が集まらない会社に共通する“感情のズレ”
応募が集まりにくい会社には、次のような特徴があります。
• 採用サイトや求人票が「事実・制度」だけで構成されている
• 社長や社員の言葉に“熱量”が感じられない
• 会社の空気感やストーリーが伝わらない
• 求職者視点より“自社都合”が強い内容になっている

つまり、求職者の「感じ方」を無視して、一方的に情報を並べているのです。
感情を動かすには、「共感される言葉」「伝わるストーリー」「入社後の安心感」を意識的に盛り込む必要があります。

■ 採用は“ファンづくり”である
これからの採用は、「選ばれる会社」になることが重要です。
そのためには、マーケティング思考が不可欠。
そしてそのマーケティングにおいて最も大切なのは、“感情を設計すること”です。
• 自社の理念や想いが、心に届く言葉で語られているか?
• 社員インタビューに“本音”や“失敗”がにじんでいるか?
• 「一緒に働いてみたい」と思わせる人間的な魅力があるか?

こうした感情的要素があるかどうかが、応募数と応募者の質を大きく左右します。

■ まとめ:感情を動かせば、人は集まる
「採用がうまくいかない」「応募が来ない」と悩む企業こそ、情報ではなく感情を伝えることに目を向けてみてください。

そして、会社の魅力を「説明」するのではなく、“感じさせる”設計を意識する。
それが、これからの採用マーケティングの本質です。

御社の採用活動に、感情というレンズを取り入れてみませんか?

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