中小企業の離職防止はここから!“採用・定着・育成”の三位一体モデル

「せっかく採用したのに、すぐ辞めてしまう」「育てる前に辞めてしまう」
これは多くの中小企業が抱える悩みです。少子高齢化による人手不足が続く中、新しい人材を採ること自体が難しい時代にあって、採用した人が短期間で辞めてしまうことは、企業にとって大きな損失です。

では、離職を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか?
答えは、「採用」「定着」「育成」をバラバラに考えるのではなく、“つながった一つの流れ”として設計・運用することです。
これこそが、離職ゼロを目指す中小企業が実践している「黄金サイクル」なのです。

採用だけで勝負していませんか?
多くの企業では、「採用」は人事の最初の関門であり、最も重視される工程です。しかし、「採用したから安心」「いい人が入ったから大丈夫」と考えてしまうと、そこから先の“定着”と“育成”がおろそかになります。

実際、採用時には「うちの会社は風通しが良く、アットホームな職場です」と謳っていたのに、いざ入ってみると現場は忙しくて余裕がなく、誰も新人に声をかけない、そんなギャップがあると、新入社員は早期離職してしまいます。
つまり、採用だけを頑張っても、「入社後の設計」が伴っていなければ、定着しないのです。

定着は“感情の積み重ね”で決まる
離職するかどうかは、「この職場で働き続けたい」と思えるかどうかで決まります。そしてその判断は、論理や条件だけでなく、「感情」によってなされることがほとんどです。
・入社初日に、誰かが笑顔で迎えてくれたか
・困ったときに相談できる人がいるか
・上司は声掛けをしてくれていつも気にかけてくれているか
これらの体験が、働く人の“安心感”を育みます。

逆に、定着率の低い会社では「制度はあっても、社員の感情や気持ちが置き去りにされている」ことが多いのです。つまり、定着には「感情設計」が必要なのです。

育成は“本人の力”だけに頼らない
育成においても、「放っておいても自ら学ぶだろう」という期待は危険です。特に若手社員は、経験が浅く、仕事への意味づけや自分の成長実感を得るのが難しいものです。
そのため、企業側には次のような支援が求められます。
• 明確な育成方針の提示(何を、どの順番で身につけるのか)
• 小さな成功体験を積ませる仕事の割り振り
• 成長を認め、言語化して伝える上司のフィードバック
• 定期的な1on1や面談での対話(評価ではなく“対話”)
ここで重要なのは、“育成”は“定着”と密接に関係しているということです。
育成プロセスの中で「自分はこの会社に必要とされている」「自分は少しずつでも成長している」と感じられれば、自然とその人は定着していきます。

採用・定着・育成を「つなぐ」ことが離職ゼロへの近道
優れた企業は、採用・定着・育成をそれぞれ独立した施策ではなく、“ひとつながりの体験”として設計しています。
例えばある中小企業では、
1. 採用時:選考の段階から“育成方針”を伝え、入社後の成長ストーリーを描けるようにする
2. 入社直後:メンター制度や「感情の受け皿」をつくることで、安心して質問・相談できる雰囲気をつくる
3. 育成段階:業務の難易度を段階的に設計し、定期的な振り返りの中で、自己肯定感を育む
4. フィードバック:評価と感情ケアをセットで行い、「あなたの成長は会社にとって大切です」と伝え続ける
こうした“つながりのある仕組み”が、離職ゼロの原動力になっているのです。

まとめ:人は「会社に入る」のではなく、「会社で生きていく」ことを選ぶ
採用した人材が辞めてしまうとき、経営者や人事担当者は「もっといい人を採ればよかったのか」と考えがちです。

しかし本質は、「その人が辞めたくなる環境だった」という点にあります。
人は、給料や待遇だけではなく、「自分が必要とされている」「ここで成長できる」「この人たちと働きたい」と感じたときに、長く働こうと決意します。

離職ゼロを目指すには、「採用→定着→育成」という流れを、戦略的かつ感情的にもつなげていくこと。その“黄金サイクル”こそが、人と企業の未来をつなぐカギになるのです。

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